Excellence in Risk Management XIV ディスラプションの到来 『Ready Or Not, Disruption Is Here』

第4 次産業革命が到来し、急速に拡大しています。今日のテクノロジーは、世界の繁栄の推進に重要な役割を果たしていますが、急速かつ広範にわたるイノベーションは同時に「破壊的技術」とも呼ばれ、不確実性を生み出しています。破壊的技術とは、意図的に既存の製品に取って代わろうとする技術、あるいは画期的なビジネス手法を導入して新しい産業を生み出したり、既存の産業を一新したりする技術です。

14 年間にわたるEXCELLENCE IN RISKMANAGEMENT プロジェクトにおいて痛感しているのは、企業の経営陣はますますリスク管理の専門家の洞察に信頼を置き、真剣に耳を傾けするようになっていることです。したがって今日、リスク担当役員は、自社の事業と業界を変えつつある技術革新について知識を深める責任を負うと同時に、それらを学ぶ機会も有しています。

2017 年の本レポートでは、Risk & Insurance Management Society（RIMS）の協力を得て、さまざまな業界のリスク担当役員を対象とするフォーカスグループを実施したのに加え、破壊的技術のリスクがどう対処されているかを把握するために、さらに700 人を対象とするアンケート調査も行いました。

リスク管理の専門家は、企業が技術革新への適応を図る中で先導役を果たすべきであり、その役割を怠ったならば補助的な役割に格下げされるものと心得ておかなければなりません。幸い、先導的な役割を果たす意欲と能力はすでに整っています。