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アジア保険市場レポート2016年版
2016年2月21日 発行
2016年に入ってから、世界の保険市場は保険会社のキャパシティ(保険引受能力)と競争力に加え、巨大災害による損害が比較的少なかったことから、全体としては保険料率の低下に向かっているようだと、「アジア保険市場レポート2016年版」は指摘しています。
ただ、直近の決算発表や経営陣の交代、複数の保険会社の再編といった業界の動きは注目に値します。世界経済や政治、規制、技術、環境などの変化を含むマクロな動きも、年間を通して保険業界に影響を及ぼし続けると推測されます。
本レポートの主な内容は以下の通りです。
- 従業員医療・福利厚生(EH&B)分野では、損害率の上昇と医療費の増加、物価上昇率を上回る医療費の高騰を背景に2015年を通じて保険料率が全体的に上昇しました。事業主は健康維持促進プログラムを通じて、コスト削減方法を模索しています。
- アジア地域の大半の国では損害歴の良好さを背景に、巨大災害リスクを含まない財物保険の料率は安定、または低下しました。巨大災害リスクを含む財物保険は調達可能で、料率は全体的に安定しています。
- 昨年8月に中国・天津で発生した爆発事故は海上保険市場に重大な影響を与えるとみられ、損害賠償金額は60億米ドルに達するとの試算もあります。さらに、石油や石炭、鉄鉱石、鉄鋼の各業界の価格低下傾向は保険価額の減少を招き、保険料にも影響を及ぼしました。こうした現状はあるものの、保険会社はアジアを重要なビジネス機会と捉えています。
- 取引信用・ポリティカルリスク保険への関心は高まり続けています。景気減速によって支払いの不履行や不能が増加し、中国を中心に保険会社の損害は拡大しています。景気の減速はアジア地域のその他の国にも影響を与えると見込まれます。その影響は広範にわたり、小売業や製造業のほか商品価格(特にインドネシア)にも及ぶでしょう。失業率の上昇も予想されています。
- 金融機関賠償責任保険市場は2015年を通じて全体的に厳しい競争に晒され、2016年もこうした傾向が継続すると予想されます。ただし、市場キャパシティが限定的で、国営保険会社4社のみが金融機関向けに賠償責任保険を引き受けているインドは例外でした。同国では損害歴が良好ではないことから世界および国内の民間保険会社の多くが市場から撤退し、その結果、保険料率は上昇し、免責金額は引き上げられました。
- 航空保険市場は比較的ソフトマーケットの状態が続いています。キャパシティの過剰が主因ですが、市場から撤退する保険会社はほとんどなく、利益が上がらないにもかかわらず多くが市場に留まっています。LOTポーランド航空への最近のサイバー攻撃に見られるように、航空業界にとってサイバーリスクは新たな懸念となっています。航空業界は、安全性に重大な課題を与え、乗客保護のために航空機の離陸を阻み、大規模な金銭的被害をもたらす恐れがあるサイバー攻撃の危険にますます晒されています。
アジア保険市場レポートについて
データと分析を通じて、「アジア保険市場レポート2016」ではアジア12カ国と各国の保険市場に加え、さまざまな専門分野における主要な保険種目に関する市況とリスク傾向について見解を述べています。本レポートは、世界の保険市場で顧客にリスクマネジメントに関するアドバイザリーサービスを提供するマーシュ・エルエルシーのリスクプロフェッショナルの豊かな経験を反映して制作されました。
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