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INSURANCE MARKET REPORT

アジア保険市場レポート2015年版

 


 

エグゼクティブ・サマリー

2014年のアジア市場は引き続き買い手市場となり、保険料率はアジア全体にわたり、ほとんどの保険種目で安定または低下傾向となった。ただし例外として、現地の事情、市況、あるいは損害歴に起因して、一部の保険種目で保険料率が上昇する傾向が見られた国もあった。

巨大災害リスクを含まない財物保険の料率は安定

  • 巨大災害リスクを含まない財物保険の引受能力と保険料率は、同地域のほとんどの国において引き続き安定しており、2015年を通してこの傾向は続くと予想されている。
  • たとえばフィリピンでは、巨大災害リスクを含まない財物保険の契約者で、損害歴が良好な場合は、契約内容にもよるが、しばしば、前回と同条件で契約更改されている。しかし、保険会社は引受ガイドラインと承認基準を厳格化している。また、免責金額の設定に関しても同様に厳格になっており、担保範囲の拡充については消極的である。さらに、多くの保険会社は、ハイリスクな地域(損害歴による)におけるリスクは引受けない。

巨大災害リスクを含む財物保険は調達可能な状況

  • ほとんどのアジア諸国では巨大災害リスクを含む財物保険の料率は、安定して推移するか低下傾向となった。日本でも2011年の東日本大震災で巨額の損害があったにもかかわらず低下傾向が見られた。地震保険の引受能力には余力があり、保険料率は引き続き、東日本大震災前の水準にまで下がってきている。
  • 電力・ユーティリティ事業の操業リスクに関しては、巨大自然災害リスクが引き続き注視されている。保険会社は、重要かつ高額な機械やシステムの不具合が数件発生し、多額の損失をもたらしたことを受けて、技術的なリスクの質を重視してきている。さらに、電力・ユーティリティ事業におけるリスクマネジメントの実用についても多くの保険会社が必要条件と位置づけはじめている。
  • インドネシアで2014年2月に新たなタリフが導入されたことにより、一般産業におけるリスク領域での市場競争力の発揮が予想される(鉱業およびエネルギーリスク以外については、保険価額は上限3億米ドルまでは引受許容)。

D&Oをはじめとする賠償責任保険(所謂フィナンシャルライン)は依然として競争力を持つ

  • アジア地域全体で、この種のリスクについては、潤沢な引受能力と保険会社間の競争が原因により、ソフトマーケットが続いている。
  • ベトナムでは、保険料率は安定していたが、引受能力が限られているために保険会社は海外市場から再保険を購入している。保険契約の条件は、保険契約者のリスクマネジメントの実態、エンタープライズリスクマネジメントやその他のガバナンス上に問題がある場合は制限される可能性がある。
  • アジア地域での競争力のある保険料率にもかかわらず、インドでは、民間保険会社は金融機関向けに賠償責任保険の引受を行っていない。このリスクの引受は、上位4社の国営保険会社のみである。一部では、損害歴の増大は保険料を0%から10%の引き上げに至るケースもある。一方、リスク状況が良好で保険会社とブローカー間の競争が増大している一部のケースでは、特定のリスクに対する保険料率は10%から25%低下している。

従業員医療・福利厚生(EH&B)分野はコスト増加

  • 多くの新興経済国、特に東南アジアが大規模な政治・社会改革に取り組む中、EH&Bリスクに関するアジアの市場は不安定で先行きが不透明な状態が続いている。
  • 香港では、医療給付のコストが上昇し続けている。その結果、雇用主は、健康維持・促進プログラムを通じてコストの抑制を図ろうとしている。医療技術に対する需要の伸びと進歩が相まって医療保険料の増大の一因となっている。
  • インドネシアの民間企業と国有企業は、2015年1月1日から、従業員を国民医療保険制度に加入させることを義務付けられている。これに伴い、現在の民間医療保険制度の継続を選択する企業にとっては、15%~30%の保険料率上昇によりコストが増大する可能性が高い。
  • 韓国においてはEH&B市場における損害率が高いために、2015年は料率がおよそ10%上昇する見込みである。
  • タイでは、市場には引き続き新規参入もあり、引受能力はさらに拡大し、新たな商品も生まれてきている。

航空保険

  • 2014年は、航空機機体賠償責任保険(マレーシア航空)と機体戦争保険(リビアのトリポリ)に関連し巨額の損害が発生したことを受けて、航空リスクをカバーする保険の入手が困難となった。

キャプティブ

  • キャプティブの領域では、これまでキャプティブに対する関心が薄かった中国が方針を転換し、国有企業数社のために実際にキャプティブの設立に着手した。

貨物海上保険

  • 中国はいまや最大の市場となっており、2013年の貨物保険料の世界総額182億米ドルの9.3%を占めた。地域ごとに見ると、アジア太平洋が世界の貨物保険料の29.2%を占めるまでになっているが、43.8%を占める欧州には依然として及ばず、2位にとどまっている。

取引信用保険・ポリティカルリスク

  • ミャンマーとインドシナ市場に対する関心は高いものの、保険会社は慎重な姿勢を崩しておらず、2015年はさらに様子見の姿勢を取ると予想される。

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